トランスジェンダーひろのオトコとオンナ!全部魅せるわよ13

・作

エツコと結婚してからは本当に充実感にあふれた日々の連続だった。彼女の作る料理はみな絶品で、それは和食で洋食でも変わらないものだったし、とってもおいしかった。

 

たまに作る私のそれは悲しくなってしまうほどで、ほとんど作らなかったわ。エツコは私が料理をするってだけでうれしかったみたいだけど、あまりの味の差に私はもう完全にグリコ(お手上げ)状態だったもの。だから洗濯や掃除を私が担い、きれいなお家にしていることだけ考えて一生懸命やったわ。

 

でお仕事も変わらず順調に業績を上げていたし、濃厚な密な時間も満足だったわ。エツコの夜と昼間のキャラのギャップがすごすぎて引いてしまいそうになる時もあるけれど、その差が激しいほど私たちは萌えるようなセックスを経験できたの。

 

エツコの悶える声って本当にセクシーだしエロチックなんだもの。

 

「あぁん、ひろってどうしてこんなにセックスがじょうずなの?こんなに燃えてしまうの、今までのオンナもみんなこんなだったの?オトコもこんなに気持ちよくなったのかしら?」

 

「ああぁっっっっっぁぁ!だっ、だめっ!すごくいいっ!悔しいけれど仕方がないわよね。もっと早くあなたと出逢っていたならこんな気持ちにもならないで…ぁっああっぁぁぁああっ!きっ、気持ちいいっ!最高よっ、こんな…あぁっぁっぁぁああ!」

 

カラダをアユのように反らしながら私の上で官能の嵐のなか、Eカップの巨乳を揉みつつ悶え続け歓びの声をあげるエツコ。私はそんな彼女を眺めながらするセックスが大好きっ。私は彼女の作るお料理とカラダを味わい尽くすことが最高の愉しみになっていた。

 

そんな日々のなか、ある運命の出逢いを感じてしまった私。これは…ひょっとして…浮気の予感?いえいえ恋の予感。

 

私って悪いオンナね。こんなすてきなエツコとエッチできているのに。

 

そのオンナとの出逢いはなんとエツコの亡くなった旦那の7年忌でのことだったわ。喪服姿のヨウコ。エツコの妹である彼女は何度か親戚の集まりの際に顔を合わせたことがあった。でもちゃんとお話したこともなかったし、私の今のドキドキ感を感じたこともなかった。

 

なぜだかわからないけれど今回はそんな気持ちが沸々と湧き上がってきて、私自身が戸惑ってしまっているところもある。

 

で、この気持ちになった原因は…きっとその喪服姿のせいだわ。

 

喪服って黒で統一したコーディネイトじゃないですか。ヨウコはその黒が映えるオンナだった。黒のパンティストッキングに黒のブラジャーやパンティ、ひょっとしたらセクシーなガードル?それからはガーターベルトなんてこともあるわよね。

 

私、エッチな想像までしちゃったの。私がヨウコのハリのあるツンと上を向いた乳房を愛でそして愛撫し、一つになった彼女が歓びの声を上げているシーンを。

 

「あぁぁぁっぁっ!つっ、こんなの旦那とのエッチじゃ感じたことないっ!さっ、最高に気持ちいいわっ。ひろってエッチが上手なのね。私、初めてだわ、こんなに感じるセックス。今までで一番気持ちいいっ!あんっ!もっと奥までっ。奥まで深くっ!」

 

そんな光景を思い浮かべながらお坊さんの念仏を聞いているなんて私は品のないオンナね。

 

後で聞いた話ではこの時はガーターベルト着けていたんだって!

 

「だってなかなか夫と一緒の時にガーターベルトなんて着けられないでしょ、彼に対してそういうセクシーな気持ちを共有しようなんてこれっぽっちもなかったけれどね。見せないけれど魅せたいっていうオンナ心、ひろならわかるでしょ?」

 

ベッドで激しく愛し合ったあとの余韻に身を任せながらその時の感情を吐露してくれたヨウコ。

 

あ~ん、私も黒のガーターベルト着けたかったよぉ。オトコのかっこうなんてしていたくねぇ、と心の中で毒づいていたのをエツコにはしっかり見透かされていたけれど。本当は私もオンナの姿で式に出たかったよ。でもそうも言ってられないから仕方なく男性用の喪服で参列したの。

 

ヨウコの喪服姿は私には衝撃的だったわけ。

 

ヨウコと出逢い、彼女の存在が一挙に私のハートに挿入(はいって)ってきたしまったのがわかってとっても動揺してしまった私。まさかこんな切ない気持ちがヨウコに起きてしまうなんて。

 

そうはいってもエツコの事を嫌いになったわけじゃなかった。3日に1度は愛あるセックスはしていたし、気持ちいいし、私はエツコに満足をしていた。そうそうこんないいオンナとのめぐりあわせはないと思っていたからね。

 

エツコとエッチをしている時でさえ、ヨウコとのそれをイメージしてしまう有様ではどうしようもなかった。ヨウコとはなんとかして二人きりで逢いたい。そして他人には言えない関係なってエツコともども二人のいいオンナと肉欲の限りを尽くしたかった。

 

私はわたし、私らしく。元々そういう想いを胸にオトコのくせにオンナしてきた私。だからヨウコへの気持ち、エツコへの想いはそれぞれ決して軽いものではなかった。

 

私は1人の人のものになるってできないのかもしれない。それが私だし今好きでいる人以外に他のオンナやオトコを好きになってしまうかもしれないのが私。

 

私はわたし、私らしく。

 

それをふしだらとでも何とでも呼ぶがいいわ。

 

(了)

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