念願だったプロの女王様とのプレイが幻に終わった体験

・作

皆さんの中にはSMビデオで、女王様に調教されるマゾをどのように探してくるの? と思っている方も多いと思います。とてもプロの男優とは思えない多くのM男性がビデオに出演しているのを見ればそう思うでしょう。もし出来れば自分も出てみたいと思っていませんか?

 

そんなマゾ男優はビデオ会社がタダみたいに安い出演料で使っている素人が多いんです。中には出演料はいらないからプロの女王様に調教して欲しいという者もいるし、更には「顔が見えなければどんなプレイにも応じます」と言った真正マゾもいます。そして、私もそんなSM調教に憧れる者の一人でした。

 

私はいつも見ている女王様がM男を調教するSMビデオの最後に小さく出ていた「出演者募集」と言う文字を発見しました。「出演料1万円、平日に時間の取れる者に限る」という内容で、メールアドレスが記載されていました。早速、私はそこへメールを送ると返事が来たので驚きました。直ぐに「会社まで伺い、面接を受けさせていただきます」という返事を送ると日時の確認メールが来ました。

 

当然ですが私は女王様に調教されるマゾの役です。そして、相手の女王様はプロの女優さんではなく、SM倶楽部に所属している女王様です。彼女たちには出演料は出るようですが、お店や自分の宣伝のために出演する方も多く、有名になるためのプロモーションビデオ感覚なのかもしれません。出演するM男のほとんどが素人ですが、真正マゾの男性が多く、プロの女性に本格的な調教をして欲しいという人たちです。

 

会社の事務所は下町の地下鉄の駅から少し歩いたビルの1階でした。入り口で私がハンドルネームと担当者の名前を言うと出迎えてくれて応接室に通されました。素人のマゾ男優なので詳しい履歴書などは出しませんでしたが、きちんと応対してくれました。

 

聞かれたのはM男としてのSMプレイ経験や今まで相手をしていただいた女性の人数、どのようなプレイがOKで、何がNGかということで、平日の昼間に5~8時間撮影のための時間が取れるかというのが出演の条件でした。

 

相手はプロの女王様ですから、お店に出勤しない日の昼間が撮影時間になります。更に休憩時間を取る必要もあるので、かなり長い時間拘束されます。ですから、土日しか休みのないサラリーマンが出演するには平日に休暇を取らないと無理なので、私は有休を申請しなければ出演できないのが分かりました。

 

詳しいプレイ内容は、鞭(バラ鞭ばかりでなく一本鞭や乗馬鞭)、蝋燭、緊縛などのSMプレイの定番ばかりでなく、靴舐めやブーツ舐め、聖水や黄金の経験、ビンタや蹴り、踏みつけなどの行為、更に、ポニープレイや犬の調教、ペニバンを使ったアナルプレイ、針刺しなどの流血プレイが出来るかどうかも詳しく尋ねられました。

 

しかも、プレイは決して演技ではなくリアルな調教です。担当者は、女王様は手加減しないので、鞭の痕が残ることもあると言いました。休憩時間はあるもののビデオ撮影ですから同じシーンを何度も撮影することになります。私は黄金と針刺し以外は経験がありますと返事をし、ほとんどのプレイには応じられますと応えました。

 

SMプレイは、通常マゾは全裸が基本ですがビデオでは全裸ではなく、パンツは穿いて撮影するということなので、パイパンにしなくてもいいのが分かりました。そして、最後に聞かれたのが、顔出しはOKですか? ということでした。それには随分迷ったのですが、出来れば全頭マスクを着けてもよろしいでしょうか?と答えました。映像ではパンツを脱いだシーンもあるので、その場合はモザイクがかかりますが、顔にはモザイクはかからないので、素顔が見えてしまうのです。

 

私は男優の登録してその日の面接は終了。「仕事があればこちらからメールで連絡します」という担当者の言葉を聞いてその日は帰りましたが、「土日しか時間が取れない」「顔出しがNG」という私の条件から、多分連絡は来ないと思っていましが、いくら待ってもメールは来ませんでした。そして、私のSMビデオに男優として出演する夢は叶えられませんでした。

 

その話を当時奴隷にしていただいた女王様に話したことがあります。すると「何でそんなこと黙ってしたの」と言って怒られました。そして、「今日は厳しいお仕置きをするからね」と言われ、いつもに増して厳しい調教をされました。そして彼女は「多分、採用してもらえないわね」と言ったのです。

 

でも、「出なくてよかったわよ。もし出ていれば顔がバレてしまったかもしれないのよ」と言われました。「いくらマイナーなビデオ会社でも見る人はいるから、見た人にはお前が出ていることが分かってしまうわ。もしそのことが噂になって広まれば身内にも分かってしまうから大変よ」と言われ、少し怖くなりました。

 

しかも、彼女の話にはまだ続きがあり、「私は前にAVやSMのビデオの会社にいたの。女優ではなく会社のスタッフとしてね。そして、応募してきた女優や男優の面接をしたこともあるわ。その時にお金が欲しくてAV女優に応募してきた女の子がいたから私はこう話したわ。『ビデオは風俗嬢とは違ってたくさんの人が見る可能性があるの。だから、あなたが出演したことが家族に知られてしまうこともあるのよ』と話したら泣きそうな顔をして、黙って帰っていったわ」と言ったのです。

 

SMプレイは本当に信頼している二人で楽しむものです。プロになろうという人ならばそれもいいですが、ビデオに出演して顔が出るということは、その後の人生を変えてしまうこともあることを知っておく必要があります。そんな話を女王様にされた日、私は涙を流してしまう程厳しいお仕置きを受け、お尻には痣が出来てしばらく消えることはありませんでした。そして最後に彼女は「もう二度と男優なんかに応募してはダメよ」と言ってホテルを出る前に思い切りビンタをされました。

 

(了)

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