トランスジェンダーひろのオトコとオンナ!全部魅せるわよ9
ずっといっしょ
私とツトムのお部屋は2階の隣同士だし、扉がしまっていることはお互いになく、行き来はもちろん毎日だった。
いつもいっしょ、毎日いっしょ。学校や職場以外はほぼいっしょにいるのが私たちのルーチンになっていたわ。
そして、夜なるとどちらともなくお部屋に出入りしてはフェラチオや兜合わせをしていたの。もちろんアナルセックスもしたよ。私がトランスジェンダーだからされるほうで、ツトムは男だからするほうね。お互いにあえぐ声が下の階にいる親に気づかれないようにすることがちょっとだけ苦労したくらいかな。家でするセックスはお金もかからないし、移動時間も省けるから日常の中で行うエッチとしてはこのうえなく効率的なものとなっていたわ。雰囲気とかはちょっとだけれど。
私たち、いろんなバリエーションでセックスをしていたの。バックからはもちろん、立ちでしたり、私が上になったり、ツトムが上になったり、おもちゃを挿入したり、されたり。
「あぁ~ん」「いっ、いぃっ!」「ううっ~ん」
私は思考停止となって悶えるの。ツトムと繋がっている感覚がもう最高よっ。
「ニィ!気持ちいいよっ。もっと奥まで差し込んでもいい!?」
「奥まで、もっと奥まで入れて、私を犯してっ」
いろんなやり方を試したけれど、やっぱり最後に落ち着いたのは二つ。一つは兜合わせで私もだけれどツトムが大好きなスタイルで、するとすごく興奮するんだって。それとバックからの「正常位」だったわ。正常位は一番深く繋がる感じがしたし、ツトムに犯されているって気持ちを強く感じるの。征服されているって気がしてさ。ツトムに、愛する人に征服されるって最高ね。オンナとして幸せを感じたもの。
そして、なんかツトムとくっついていると安堵感でいっぱいになったの。そんなすてきな関係が2年くらい続いたわ。
不安
2年くらい良好な関係が続いて私は幸せのど真ん中にいると思っていたし、これから先もそれは続いていくものと思っていたわ。
それが…
ツトムにちょいちょい携帯電話がかかってきていたの。最初は人の電話をいちいち気にしてはいけないって思っていたから無視するようにしていた。でも私と一緒にいるときさえ頻繁にかかるようになっていたから思い切って私、ツトムに聞いてみたの。
そうしたらツトムが言うには大学の所属している映画サークルの女子部員で別に特別な間柄なんかじゃない。今、企画ものを講じていて俺がリーダーをやっているからその都度質問なんかをしてくるんだ、だって。
本当かなぁ?
もう少し突っ込みを入れたかったけれど、ツトムが嫌な顔をしていたし、しつこいオンナって思われたくなかったから、それ以上は言わなかった。何より彼の不満顔を私も見たくなかったからね。
浮気
結局、ツトムは映画サークルの女子部員と呼ばれる女と「良好な関係」を続けるようになり、私たちは破局となってしまったの。
2年程度のお付き合いは私にとっては幸せ以外の何ものでもなかった。ツトムだってそれなりにそういう気持ちがあったと思う。でも私たちには決定的な違いがあった。
それは私がトランスジェンダーでツトムって基本は普通の男ってこと。私と関係は持っていたものの、女の子を好きになるのは仕方がないってことね。
仕方がない…
けれどなかなか気持ちの中では納得もいかないし、あきらめきれなかった。ツトムからはひたすらごめんなさいと言われ、私たちのこと、二人の関係は絶対に内緒にしておいてほしいと懇願もされたわ。私がそんなこと言うわけないじゃない、バカ。
ツトムにそこまでされて、言われて私はすべて了承し、別れたの。
仕方がない…
その7年後、ツトムと彼女は結婚して、なんと私と彼女は義理の兄妹になったというオチまでついたってわけ。
なんか、笑えないよ、これって。
(了)
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