ワキの下に広がる魅力

・作

20代半ばの真夏のだったと思う。

外に出て、ウロウロするにも暑すぎた。

部屋は冷房を入れているが、少し体を動かすと汗ばむ感じだ。

そんな時、彼女とソファでくつろいでいるとき、ふとした衝動に駆られて、彼女の脇を舐めてみた。

彼女はびっくりし、驚いた表情をしていたけれど、 すぐに笑って「何っ?」とくすぐったそうに身をよじった。

自分でも何でそんなことをしたのか、

理由がはっきりしているわけではない。

ただ、中学生くらいから脇には興味があった。

彼女の無防備な姿と夏の暑さが相まって、なんとなくやってみた。

僕の性癖は脇フェチになるんだろ。

昔から僕には、その傾向があるんだと思う。

友達に話すほどではないし、共感してもらえるとも思っていない。

脇って何故か、そそる場所なんだ。

女性のいろんな部位に魅力を感じるけど、 

脇には特別なものがある。

普段は隠れていて、見せることが少ない

分、見たときのドキッとする感じがたまら

ない。特に女性のわき毛や剃り残しをつい見てしまう。

女性なら処理していて当たり前だと僕は思い込んでいるが、女性からすると処理するのも煩わしいと思う。

その認知的不協和が不思議とそそられる。

彼女は普段あまり自分から脇を見せることがない、だいたいの女性はそうだと思う。

あまり、ワキを見せない人だと、そこに一層の魅力を感じる。

ワキの下は、他の体の部分とは違うプライベートさがあるように思う。 

太ももやお尻、うなじなど代表的な、

魅的だけれど、人前でも露出しやすい部分だ。 だけど、ワキの下はほとんど見せない。

誰にでも見せるわけじゃないし、

そこを触れる、ましてや舐めるなんて、 本

当に親しい関係でなければできないことだ

と思う。 だからこそ、 自分にとっては特別

な部分だし、そこを触れるという行為には

強い親密さと信頼関係があると思う。

彼女のワキを舐めてみたのも、 そんな親密さを確認したいという気持ちがあったのかもしれない。

彼女との関係は短いが色々と深い内容の話しや出来事があったから、安心感や信頼感がある。

だからこそ、少し変わったことをしても、彼女が笑って受け入れてくれるだろうという確信があったんだと思う。

素直になんでも正直に言える関係性が僕らにはあった。

彼女が「何っ?」と笑いながら言ったとき、僕は「ワキに興味があって」と返した。 

もちろん、本当は彼女の反応を見たかった。

その無防備な姿にもっと近づきたかったんだと思う。

それに、彼女の驚いた顔や、 くすぐったそうに笑う姿を見るのが単純に楽しかった。

脇フェチというのは、自分の中でずっと抑えていた感覚だった。 

誰にも、ワキについては話さないし、ネットで調べる程度だ。

だけど、 彼女との関係が深まるにつれて、

そういう自分の隠していた部分を少しずつ出せるようになったのかもしれない。

そういう関係になれたのも彼女のおかげだ。

自分の性的な趣味やフェチに対して、

彼女がどう反応するのかは分からなかったけれど、

こうして軽く受け入れてくれたことが嬉しかった。

そして、二人でいる時は彼女は僕にワキを恥ずかしそうに見せてくれる機会が増え、

彼女の僕への愛を感じることができた。

自分の中に性癖やフェチを閉じ込めるだけではなくて、二人で共有できれば、親密な関係をより、一層、お互いが深いところで繋がれることを知った。

そのあとは、お互いの性癖や好きな体位を正直に話すようになり、二人で色々試しながら、さらなる快楽の境地に進んでいった。

彼女からしてみれば、また、僕が変なことを言い出すか、ヒヤヒヤしてたと思うけど、

全て受け入れて

くれたことは本当にありがたい。

 

(了)

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