元同級生の彼女とAV動画で再会―フウカの秘密1
フウカの名前を久々に聞いたのは、高校を卒業して10年くらいたったときだったかな?高校の同級生から届いたメールだった。
―「フウカ、亡くなったらしいよ」
病気だったと。詳しいことはわからないそう。亡くなったのか。ただ深く息を吸い吐き出す。胸の奥で何かが引っかかったが、それ以上は考えなかった。もう過去のことなのだし。
さらに数年。きっかけはライター仕事での依頼メール。内容は「素人ものAV動画レビューの執筆」とある。へいへい。何でも書きまっせ♪契約後指定されたサイトで、そそるタイトルをいろいろスクロールする(笑)。その中でふと目に止まったサムネイルがあった。
なんとなくクリック。白い壁と椅子が一つ。そこに座る女は黒髪を肩に垂らし、うつむき気味に笑っていて童顔だけど、うっすら影を感じる大人の表情で。
― うん⁉ カメラ目線になった女の顔を見て、思わず椅子からずれ落ちそうになった。
再度凝視する…。右目の涙袋と頬骨の近く、正三角形の形をした三つのほくろ。どうして?彼女は…死んだはずだ?いや…亡くなる前?大人びているけれどフウカだろこれ?
「美月」と呼ばれる女は、俺の記憶の中にある少女と重なっていった。
フウカは当時の俺の彼女モエの親友で、モエの隣にいつもいた。部活も一生懸命で銀色のフルートを手に、美しい音色で演奏する姿や譜面に目を落とす真剣な横顔。
その姿はいつも凛々しく、やけにきれいに見えた。
そんなフウカとは、不意に目が合うことがあったのだけれど、そのときの表情がどこか切なげで、気になったのを覚えている。ただ高3になって俺がモエと別れると、フウカと話す機会が減ってしまい、結局それらしい進展もなく高校を卒業してそのままとなった。
そして動画ではインタビューが始まった。
フウカ「…えぇ大学では音楽をやってました。けれど…交通事故で。顔と、手をちょっと」
フフッと彼女は自嘲気味にほほえんだ。聞き覚えのある優しい声の響きは、学生時代のあの日と同じで…。やはりフウカだ…。だがその笑みは作り物めいた、なんとも形容しがたい表情で胸が苦しくなった。
フウカ「前歯とか折れちゃって、治療も長引いちゃって。指も思うように動かなくなったから…楽器、無理になっちゃって」
フウカ「大学辞めてからは、会社で事務のお仕事していて。それから…その…会社の課長と…そういう関係になって…処女なくしたのも、そのときでしたよ」
男「今は幸せ?」
ねっとりとした言い方で問うインタビュアーの男に、彼女はわずかに目を伏せ…沈黙。
フウカ「……うん、まあ」
ー 乾いた笑顔。
男も低く笑って「…じゃあ、このままおしゃべりしながら始めようか」
フウカは小さくうなずいた。どうやらこのインタビューしている男が、そのままお相手らしい。ベッドサイドで2人向かい合って服を脱がしあう。衣擦れの音と微かな呼吸音。男はフウカを抱きしめながら、
男「きれいなおっぱいしているね♪スタイルもいい。かわいいよ♪」
フウカは無言で小さく首を振り否定していた。そしてパンツだけになったフウカ。
男「最近いつしたの?」
パンツの上からフウカの縦溝をなぞり、キスして耳そばでつぶやく。同時にカメラが彼女の顔に寄った。濡れた唇と右頬の三つのほくろ。吐息はわずかに熱を帯び、かすかに震えた声が漏れた。
フウカ「ん…3日くらい…前かな?」
感じているんだろう。指の動きにあわせて腰をくねらせ、しゃがみそうになりながらも、ぎごちなく応えている。
男「じゃあ美月ちゃんのここは、まだ男の感触が残っているね。例の課長さん?」
フウカ「え……と、セフレ…かな?」
男「へぇ…。そんな男もいるんだ。付き合ってないんだよね?かわいい顔して課長さんやセフレを、ここが食べっちゃってるんだ」
フウカ「……やだ……」
男はフウカの縦溝にそって中指をぴったり合わせ、クリ付近をブルブルと振動させ、フウカの土手をもてあそんだ。
「あっ…うん」あえぎが漏れるフウカ。目をつぶり拒んでいるのか、求めているのか判別ができない顔。ただ画面の奥で彼女の吐息が、いっそう深くなっていくのだけは分かった。
――そのとき、カメラが動き画面が横にスライド、男の顔が映しだされる。
!!!
息を呑む俺。高校時代の俺をそのまま切り取ったような顔。横顔もとても俺に似ていた。男の笑う口元、低い声。その声が俺の声に重なって、脳がバグり現実と虚構の境界が曖昧になる…。
今やフウカは完全に男にからだを預け、されるがままで男を見上げている。パンツから聞こえるネバついた音はいやらしく、うるんだ瞳ととろけた顔。そこにはただ快楽を求め、メスの顔をした女が映っていた。
(了)

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