やりたいの3

・作

あれからも、ホノカはいつもの調子で変わらず俺と接してきた。でもどんな顔をしていいのか、話しかけられても素っ気なかったと思う。そんな様子にホノカも戸惑っているように見えた。

 

ホノカ「ねぇ?俺さん最近冷たいよ。どうしたの?私なんかしたのかな?」

 

俺「…いや、なんでもないよ。ごめん。」

 

ホノカ「……」

 

そんな感じでいたら、ホノカも俺に距離をとるようになった。困った顔をしていたけれど、少し時間を置いた方がいいと判断したのかな?でも俺とギクシャクしだした分、男とまた会うのだろうか。

 

それからさらに数日がたった。

 

自宅にいた俺の携帯にショートメールが届く。「ほのか」と短い文章と動画サイトリンク?なんだ…これ。躊躇したがリンク先をタップすると、見慣れたホノカの姿がサムネイルとして表示されていた。一瞬で熱が広がり呼吸が乱れる俺。

 

再生させると、わずかに映る白いシーツと枕、仰向けのホノカ。カメラを意識し視線を上げるホノカの顔がアップで映し出される。撮影者か?軽薄そうに笑う男の影。男が覆いかぶさるようにし、見下ろして撮影しているようだ。

 

男「お!じゃあ始めるからな♪こういうの一回してみたかったんだよなぁ」

 

ホノカ「もう…ほんとさいってぇ、あきれるわ」

 

男「いいじゃん、いいじゃん。じゃあ質問な。ホノカの最初はだれで何歳の時ですか?」

 

ホノカ「…あんた。タカシです。16歳」

 

タカシ「処女ごちそうさん、おいしかったわ♪独りエッチはする?」

ホノカ「あ~…時々」

 

カメラがやや引いて、色白のホノカの上半身が映し出されると、男の右手がホノカの乳房をもみ乳首を弄んでいた。あぁやっぱり裸なのだ。どうでもいいがホノカを小バカにしたしゃべり方、ヘラヘラした男の態度が、いちいち癇に障った。

 

タカシ「おっと乳首が立ってきたじゃん♪いいねぇ、相変わらず敏感でどスケベだよな。んで、好きな体位は?」

 

ホノカ「ふ…ん。あ。もう。正常位かな、お互い顔見れるし。ねぇやっぱハズイよ…やめようよ、ねぇ」

 

タカシ「だまれって。いいから。今好きな人いんだよな?どんな人?」

 

ホノカ「…仕事一生懸命で、悩みも聞いてアドバイスくれる。とっても頼れるよ。ノリも近いし優しいし」

 

タカシ「乳もまれながら頼れるとか(笑) エッチはしたの?」

 

ホノカ「うっさい。その直前までね。まだだよ」

 

タカシ「ふ~ん、で。俺とはこんなことするんだ。彼氏さんかわいそ~やらしてやれよぉ」

 

さっきまで乳首をコリコリいじっていた男の手が下りて、ホノカの股間に手をそえる。パンツの上から指をひっかけるように、何度も土手の感触を確かめていた。

 

ホノカ「…そんなの良いから。ん…あ。もう。パンツの中、手入れないでくれる?あん。撮るのやだ…普通にエッチしない?」

 

タカシ「とか何とか言いながら、濡れてんじゃん。惚けた顔して説得力ねぇよ♪」

 

ホノカ「誰が…だれがこんな風にしたの…よ」

 

悔しそうな顔をしながらも、甘い吐息交じりで男の質問に答えるホノカ。その間も股間をいじられているのだろう、時々体をビクつかせて、眉間にしわを寄せ感じているようだった。

 

タカシ「ところで彼氏のことは好きか?

 

ホノカ「…うん、好き」

 

タカシ「そかそか♪じゃあキスしよう。俺を彼氏だと思っていいから」

 

ホノカ「……っ…タカシ……やだ…っ……ん…むぅ…は。う…」

 

ホノカの口びると舌を、むさぼるようしてキスをする男。荒い呼吸と絡めあった舌から湿った粘着音がする。そしてその様子がアップで映しだされていた。

 

タカシ「ぷはっ、うわぁパンツの中、めっちゃグチャグチャ音してるけど。お前ホント濡れやすいのな。やべえな。」

 

ホノカ「も…ヤダ…」

 

タカシ「嫌か?そうだなぁ、じゃあ止めるわ。彼氏さんに悪いから、お前とも会うのやめないとな」

 

ホノカ「……」

 

タカシ「睨むな(笑) なんでそんな顔すんだよ。なぁもう一回聞くけど彼氏のこと好きか?」

 

ホノカ「好き…。好きっよ。んぁ!」

 

タカシ「うは♪指2本スッと入るわ。トロトロ。でもホノカばっか気持ちいいのずるいよな?ちょっとしゃぶれよ」

 

 

カメラが膝立ちする男の股間を写すと、言われるがまま、躊躇なく竿を咥えて奉仕するホノカ。やや下品な音を響かせ、手慣れた感じがしていて、男との付き合いは長いのだろうなと感じた。

 

タカシ「あ…やっば…。超気持ちいい♪なぁやっぱ会うのよそうぜ?俺も罪悪感あるし、それがホノカのためになんじゃん」

 

ホノカ「…ねぇ。…もう入れて?」

 

男の問いかけには答えず、ホノカは奉仕をやめると伏し目がちにつぶやき、自らベッドの上に仰向けに倒れ、両手で顔を隠した。

 

 

タカシ「たく。もう、しゃあねぇなぁ(笑)…ほらパンツ脱いで足開けって。広げて見せろ」

 

ホノカ「ほんと。あんたって最低だよね。ぐ!…うふん。…あ、ふう、あ」

 

正常位だが、上半身を起こしたままの男は「お前に言われたかねぇよ」って言いながら、ヌメるホノカの股間に腰を進める。そして埋没させると、味わうようにゆっくり腰を動かしだした。

 

タカシ「おら!もっと中絞めろよ。彼氏好きか?どうなんだよ♬」

 

ホノカ「だから…好きだって言ってんじゃん…ん。なん…で今そんなこと言…うの?」

 

タカシ「じゃあ、やっぱ彼氏好きなんだからさ?お互い会うのやめよう、な♬」

 

徐々に腰を動かすスピードを上げる男。腰を振りながら男が結合部を映すと、ホノカの薄い陰毛、ピンク色したクリ。そしてビラビラが両サイドから竿を咥えこみ、愛液がよだれのように薄っすら白く、いやらしく垂れ濡れて光っていた。

 

ホノカ「しつこい…だって…だって。あ、あ、ああ…もう、やばいやばい……」

 

全身が火照っているのか薄っすらピンク色に染まり、その打ち込みに翻弄されるホノカ。

逝きそうになってきたのだろう、お腹が小刻みにふるえてきている。でもここで男が急に腰の動きを止めてしまった。

 

恍惚とした表情から一転うるんだ瞳のまま、悔しそうな泣きそうな顔をするホノカ。

 

タカシ「あぁ駄目だわ。彼氏さんに悪いって思ったら何かさぁ…♪」

 

ホノカ「ね…。何で止めるの?おねがい意地悪しないで…」

 

タカシ「好きか?彼氏?」

 

ホノカ「好き…。好きだから。ね?」

 

黙ったまま男は、またゆっくり腰を振り出した。ホノカは目をつぶり、口を半開きにしたまま、たまらないって悶えた顔をして、シーツを握りしめ、あえぎだした。

 

タカシ「俺とは今日限りにしような?」

 

ホノカ「…あ…あぁ、あ。…やだ…」

 

タカシ「なんだよ…彼氏どうすんだよ?」

 

男は腰の打ち付けを強くして徐々にスピードを上げ、ホノカの乳房を右手でわし掴んで握る。痛くないのか嫌がらずに、絶え間ないあえぎをあげ、股間からはクチャクチャッと濡れた音が続いていた。

 

もう男の問いに答える余裕もなく、吐息、かすれた悲鳴、濡れた音。髪を振り乱してシーツを強く握り感じているホノカ。完全におもちゃにされていた。

 

ホノカ「…だって、あ!あ!あっ!やだ!まってまって!」

 

タカシ「おい。おいおい(笑) いったいどっち?やだって突かれるの嫌なの?」

 

ホノカ「好き!好きだから!好きっだからぁ!!」

 

タカシ「好きなんかい♪ 何の好きなんだよ(笑) 俺とまたやりたい?」

 

ホノカ「あっ!あっ!いいぃ!あ、あ、ああ」

 

タカシ「答えろよ!でないと止めちまうぞ?」

 

男の悪意ある問いと容赦ない打ち込みに、首を左右に振って「やだっやだっ!」って涙を流し泣きながら訴えるホノカ。そして直後、大きくからだをのけぞらせて…。

 

「やりたい!!やりたいのぉ!!ウッぐぅ…」

 

瞬間、歯を食いしばり、のどになにか詰まらせたような声を叫ぶと、絶頂を迎えたホノカは、そのまま全身をビクンビクンさせて…逝った。

 

…それから。

 

3日ごとに同じショートメールが4,5度ほど続いた。全てハメ撮りだった。

 

どこかのホテルの高層階で、大きなガラス窓にからだを押し付けられて、立ちバックでハメられるホノカ。前と後ろにバイブを2本入れられて悶絶するホノカ。浴槽のへりに片足乗せて、オナりながら失禁するホノカ。目隠しをされてM字に両足を開き、股間を中心に「中田氏無料」「臭まん注意」「ビッチ」などとからだに落書きされているホノカ。

 

そして今にも崩れ落ちそうな廃屋の傷んだ畳の上、仰向けで終わった直後なのか、がに股で開いた両足と股間をビクビクさせ、膣から肛門、畳にかけて大量の精液を垂れ流す全裸のホノカの姿。それが送られてきた最後の映像だった。

 

 

―――――――――――――

 

ホノカ「俺さん♪おはようございます!」

 

俺「あぁ、おはようさん」

 

ホノカ「今日も一日よろしくおねがいしますね♪」

 

俺「うん」

 

やはり人懐っこい優しい笑顔で。かわいいなって思う。

 

でも彼女の姿を見たのは、その日が最後となった。午後、俺が社用で外に出ている間に、彼女は早退し、後日そのまま会社を去ったからだ。きっとあのサイトアドレスを、仕事中にホノカに送信したからだろうな。

 

 

「俺さん、ごめんなさい…ほんとに、ごめんなさい…」

 

1通だけそう返信があり、なぜか笑いそうになる。うん、特に怒りも悲しみもなかった。ただ彼女が消えただけ…だ。

 

「嗅ぎたいな」

独りそうつぶやいて、無意識に右手の指を鼻に持ってくる。いつかの感触。糸を引くヌメりと生々しい発情したメスの匂い。あぁやっぱもう一回、ホノカの匂い嗅いでみたいわ。

 

なぜかなぁ?なぜだろう。そのときとても、とてもそう強く思った。

(了)

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