マッチングで出会った彼と体を重ねた夜
20代後半、仕事に追われる毎日。残業で帰宅する頃にはメイクも崩れ、ただベッドに倒れ込むだけの生活。恋愛なんてもうしばらく遠ざかっていた。だけど、心のどこかで「誰かに抱きしめられたい」「女として求められたい」という欲望は消えていなかった。
そんな時、軽い気持ちで始めたのがマッチングアプリだった。最初は遊び半分。だけどある日届いた一通のメッセージが、私の退屈な日常を大きく変えた。
「写真の笑顔がすごく素敵ですね。良かったら今度、ご飯でも行きませんか?」
プロフィールには30代前半の営業職と書かれていた。真面目そうなスーツ姿の写真に、誠実な文章。軽いノリの人が多い中で、その落ち着いた雰囲気に惹かれた私は、気づけば彼と毎日のようにメッセージをやり取りしていた。
そして週末。都内のレストランで待ち合わせをした。
実際に会った彼は、写真以上に大人の余裕をまとっていて、低めの声と穏やかな笑顔に一瞬で心を奪われた。食事中の会話も自然で、緊張よりも心地よさの方が勝っていた。
ワインを重ね、少し頬が赤くなった頃。彼の視線が私の胸元に一瞬落ちる。心臓が跳ね、頭では「意識しすぎ」と言い聞かせても、体は熱を帯びていくのを止められなかった。
その後、彼に誘われて行ったバーで、指先がそっと私の手に触れた。驚きよりも、もっと触れてほしいという衝動が先に来た。カクテルを飲み干した頃、彼が低い声で囁いた。
「…このあと、もう少し一緒にいたい」
私は小さくうなずき、気づけばホテルのエレベーターに乗っていた。
部屋に入ると同時に、彼の唇が私を捕らえた。深く絡み合う舌、荒くなる呼吸。背中に回された大きな手に支えられながら、全身が痺れるように熱くなる。
ブラウスのボタンを外され、下着姿になった瞬間、彼の視線が私を舐めるように這う。恥ずかしさよりも、女として見られていることへの快感が勝ち、震える声で「もっと…」と呟いていた。
ベッドに押し倒され、彼の唇が首筋から胸元へと下りていく。舌先が肌をなぞるたびに甘い声が漏れ、シーツを握りしめる。ブラを外された瞬間、乳首が彼の口に含まれ、吸われるたびに腰が勝手に揺れた。
「感じてるんだね」
彼の囁きに、頬が熱くなる。けれど否定できない。下腹部は熱く濡れ、もう理性では抑えられなかった。
パンティをずらされ、指が秘部に触れた瞬間、電流のような快感が全身を駆け抜けた。指先が濡れた部分を円を描くように動き、奥へと入っていく。思わず声を上げる私を、彼は優しく口づけで塞いだ。
「もっと欲しい?」
耳元でそう囁かれ、私は小さくうなずいた。次の瞬間、彼の熱いものがゆっくりと中へ押し入ってくる。身体が張り裂けそうなほど満たされ、声にならない声が喉から漏れた。
彼の腰が動き始めると、快感の波が容赦なく押し寄せてきた。深く突き上げられるたびに背中が反り返り、シーツを握りしめながら必死に彼の名を呼ぶ。汗ばんだ肌が重なり合い、ベッドの軋む音が部屋に響く。
「気持ちいい…?」
「…うん、もっと…」
自分でも驚くほど素直に声が出てしまう。彼の動きは時に優しく、時に激しく。何度も絶頂へと追い上げられ、全身が震えた。時間の感覚が消え、ただ彼と一つになっている幸福感に溺れていった。
夜が明け、彼の腕の中で目を覚ました。乱れたシーツ、残る余韻。彼は優しく髪を撫で、「また会いたい」と囁いた。その声に、女として満たされた幸福感が再び胸に広がった。
あの夜の濃厚な記憶は、今でも私の身体に焼き付いて離れない。マッチングでの出会いが、こんなにも深く私を震わせることになるなんて、想像もしていなかった。
(了)
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