男同士が結婚できる海外で彼と一緒に暮らせる幸せ  

・作

 

昔、私が現役の記者だったころニューヨークに行くと必ず足を運ぶ一軒のお店がありました。場所はタイムズスクエアーの裏通りにある日本食の何でもありの食堂です。寿司でもラーメンでも盛り蕎麦でも全てメニューにあり、日本の瓶ビールも飲めます。

 

この周辺はニューヨークの中でも一番人の多い場所で、新宿の駅前や歌舞伎町のような感じがして、昼間ならば何処でも歩いて行けるので、私が一番好きな場所でした。

 

昼間は通訳を連れて取材に歩かなくてはならないので、勿論メンズスタイルですが、ホテルに戻って着替えると女になれるので私には寛げる時間になります。その日の報告を日本の出勤時間に合わせてメールで送り、それが終わると私の自由な時間です。

 

少し遅いけれどお化粧をして、慣れている日本食の食堂へ足を運びます。そこには日本語が飛び交い、沖縄出身のおばちゃんが私を迎えてくれます。遅い時間に一人で来た女性の姿をした私に必ず声をかけてくれます。

 

「今日は何にするの?」と聞く彼女に私は「ビールとおつまみ、それから今日はざるそばが良いわ」と言います。すると、私の前の席に必ず座る一人の男性がいます。

 

彼は日本の広告代理店の社員で現地の駐在。私が出張の時は必ずこの食堂で声をかけてきます。彼は私が女装だということは知っていますが、昼間の姿は知りませんし、どんな仕事をしているかも知らないはずです。

 

でも、ここで食事をしたとは必ず私のホテルの部屋について来るようになりました。単身で赴任している彼には日本人の女性と知り合うチャンスが無いのは分かります。でも、彼はゲイなのです。

 

でも、私がふざけて「オカマの私よりほかにいくらでも女はいるでしょ」と言うと、彼は「知らなかったのか? 僕はゲイだから女はダメなんだ。それにアメリカのゲイは僕には合わないよ」と言うのです。

 

それから私はアメリカ出張の度に彼に会い、ホテルで抱かれるようになりました。でも、彼の好きな行為はイラマチオで、いつも私は喉を犯されるのです。

 

彼は私をベッドに寝かせると頭だけベッドの外に出して私の頭が垂れ下がるような格好にします。そして、私の上に跨ると上からペニスを挿入します。

 

そうするとなぜか私の喉へスムーズにペニスが入って行きます。彼は私が苦しまない体位を知っているのです。その形で抜き差しをされると彼の悦びの声が聞こえます。

 

「気持ちがいいよ。最高の喉マンコだ。喉が締まる瞬間が堪らないよ」と言います。そして、最後は私の腰を持ち上げて、また喉と同じように上からアナルに挿入します。

 

私は両足を突き上げて彼の腰を受け入れます。激しい腰遣いに私は絶叫しながら彼がフィニッシュするのを待ちます。

 

でも、彼はイキそうになるとまたペニスを抜いて口に咥えさせるのです。そして、喉まで入れると、うめき声を上げながら射精します。

 

精液の半分以上はそのまま私の食道から胃に流れていきますが、口の中にもたっぷりザーメンが残ります。それを彼の見ている前で飲んであげると彼は「ありがとう。嬉しいよ」と言って私の上に倒れ込むのです。

 

それから彼にはニューヨークで会うたびに身体を合わせましたが、私の部署が変わると出張はなくなり合うチャンスは無くなりました。

 

そして、その後彼に会ったのは彼が転勤で日本に戻ってきた時でした。私は彼から連絡を貰い、成田空港へ車で出迎えに行きました。会社の人たちが大勢迎えに来ていたので、私は遠くから彼の姿を見ていました。

 

私は普段外では女装はしないのですが、彼のためにアメリカでよく来ていたワンピースを着て、ウィッグを着けて行きました。

 

そして、彼が私のことを見つけると「ただいま。日本に帰って来たよ。君に会えなくて凄く寂しかった」と言い、私を抱き締めてくれました。

 

彼は出迎えの人たちと別れ、私の車で一緒に帰ると言い、荷物をトランクに入れました。私はしばらく高速道路を走ると彼に「どこまで行くの?」と聞きました。

 

すると彼は「どこかホテルに行きたい。今でも君とのセックスが忘れられないんだ」と言ったのです。

 

私は高速を降りて海の方に車を向けました。そして、海の見えるホテルに車を入れると二人で部屋に入りました。

 

私の頭には彼との激しいオーラルセックスが浮かびました。私は彼のペニスを喉で受け止めると、また、昔のように喉を出し入れする感触が蘇りました。

 

そして、彼の苦しさをあまり感じないイラマチオで、私の身体は震える様な喜びで溢れています。彼は久しぶりのセックスで私の喉でイッてしまいましたが、それから、彼とアメリカでの思い出話をしながらその晩は何度も抱き合い、朝まで私は寝かせてもらえませんでした。

 

私は今まで外へは女装をして出かけなかったのですが、彼が帰国してからは頻繁に外出するようになりました。そして、私は彼からプロポーズされたのです。

 

彼は私に「僕の妻になってくれないか? 出来ればまたアメリカで一緒に暮らしたい。日本では男性同士は結婚できないけれど、向こうならばそれも可能だ。アメリカで結婚式をあげよう」と言ったのです。

 

私は嬉しくて直ぐに返事をしたかったのですが、「少し考えさせて」と言いました。でも、私の気持ちは既に決まっていました。直ぐは無理だけれどいつか彼と一緒に海外で暮らしたいと思っています。

 

私は死ぬまで彼にイラマチオをされ続けるのは分かっています。でも、男性同士で結婚して一緒に暮らせるのは幸せなことだと思うようになったのです。日本もいつかそんな日が来ることを願っています。

(了)

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