再会は突然に、欲望は静かに始まった夜
大学の卒業から10年。久しぶりの同窓会に参加したのは、正直なところ「なんとなく」だった。会場は少し高級なレストランバーで、当時の面影を残した仲間たちが、懐かしさを肴にお酒を交わしていた。
その中に、彼がいた。
学生時代、特別に親しかったわけでも、恋愛感情を抱いていたわけでもない。ただ、少しだけ気になっていた存在。高身長で、笑ったときの目尻のシワが印象的な、優しい男。
再会した彼は、あの頃よりも大人びて、スーツ姿がよく似合っていた。お互いの近況を話すうち、自然と距離が縮まっていった。私が独身だと知ると、彼は少し驚いたように言った。
「そうなんだ。…じゃあ、まだ、間に合うかもしれないね。」
その意味を尋ねることはしなかった。ただ、私の中で何かが静かに疼きはじめた。
二次会を抜けて、彼とふたり、タクシーに乗った。目的地を聞かれることもなく、自然と彼の部屋へと向かっていた。
部屋に入ると、彼は私を優しく抱き寄せた。互いに言葉を交わすこともなく、唇が重なった。そのキスは、10年分の理性を溶かすように深く、熱を帯びていた。
私のコートを脱がせた彼の手は、すぐに背中からワンピースのファスナーへと伸びた。滑らかに下がっていく感触とともに、肌に彼の指先が触れるたび、呼吸が乱れていく。
「昔から、触れてみたかった。」
彼はそう言うと、私の胸元に顔をうずめ、舌で優しく転がすように愛撫を始めた。下着の上からでもわかるほどに、私の身体は彼を求めて反応していた。いつの間にか、脚が震え、指先に力が入らなくなっていた。
ソファに押し倒され、脚を開かされた瞬間、私の奥から濡れる音が聞こえた。恥ずかしさよりも、彼にすべてを見せたいという欲が勝っていた。
ショーツをずらすと、彼は濡れたそこに舌を這わせた。最初は優しく、次第に激しく。舌先で小さな粒を吸い上げ、指が奥へとゆっくり差し込まれる。
「あ…だめ…声…」
理性が何かを止めようとしても、身体がそれを拒んでいた。
そのとき、彼はベッド脇の引き出しから小さなバイブを取り出し、私の目の前に差し出した。
「こういうの、使われたことある?」
私は首を横に振った。それを見た彼は、唇を歪めて笑った。
「じゃあ、今夜は俺が初めての相手だね。」
彼はバイブにローションをたっぷり塗り、そっと私の中へ差し込んできた。異物感と震えが一気に押し寄せ、私は体を反らせて快楽に耐えた。
「こんなに奥まで震えてる…どこが気持ちいいか、ちゃんと教えて?」
彼の言葉責めが、理性を削る。バイブを出し入れしながら、彼は私の耳元でさらに囁いた。
「こんなに濡らして、欲しかったんだろ?再会なんて口実にして、抱かれたくて来たんだろ?」
「ちがっ…う、うそ……っ」
「ほんとに?じゃあ、このままイキそうな顔はなんだ?」
羞恥と興奮がないまぜになり、私の声はもう理性を失っていた。
ベッドに体を反転させられ、後ろからゆっくりと挿入される。そのたびにバイブが奥へ押し出され、抜けたときの快感に体が跳ねる。何度もイキかけては止められ、そのたびに彼は低く笑って私を攻め続けた。
夜が更ける頃、彼は再び私の胸元に顔を埋めた。
「…もう、帰したくない。」
それが本気かどうかなんて、どうでもよかった。ただ、あの夜、私は10年分の抑え込んだ欲を、彼の腕の中で解放したのだった。
(了)
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